Web内覧会⑤-2 洗面脱衣室のプチ改造
~ 防水パンカバー製作編 ~
Minimal Office 専任アドバイザーの関口真衣です。
前回より、Web内覧会⑤として、リエゾンベース東京の洗面脱衣室のプチ改造についてご紹介しています。
賃貸なので、退去時の原状回復に支障がないように、且つ、予算を抑えてミニマルにプチ改造していきます。
前回は、洗濯機を設置しないことでの臭気と害虫対策として、洗濯排水口にふさぎふたを取り付けるところまでをご紹介しました。(前回のブログ)
洗濯排水口からの臭気と害虫侵入防止のための 目皿ふさぎふたを取り付けた防水パン。
今回は、防水パンにカバーを製作して取り付けます。
その目的と狙いは以下の通りです。
■ 防水パンに埃などゴミがたまらないようにする。
■ 掃除しやすくする。
■ 防水パン上を有効活用しやすくする。
■ 清潔感を出し、生活感を無くし、見た目を良くする。
また、カバーの製作には以下の点も考慮しました。
■ 収納を置いても平気な位の強度の素材で作る。
■ 定期的にメンテナンス管理がしやすい形状にする。
■ 内装や備品を汚さず、傷つけず、現状回復が容易にできる作りとする。
■ できるだけ洗面脱衣室の内装や雰囲気に溶け込む作りとする。
■ 費用は抑えつつも、安っぽくない作りにする。
これらを考慮しつつ、維持管理を楽に、掃除を楽に、より見た目を良くを目指し、防水パンカバーを製作していきます。
まずは、上部に置く収納を含めた完成形をイメージしながら定番の採寸作業です(笑)。
採寸の大切さについては、以前のブログ「寸法を知る。調べる、測る、把握する。」をご参照ください。
防水パンの寸法はもちろん、壁長さや隙間寸法、幅木の出や高さ、洗濯水栓の位置など、関係するもの全ての寸法を測ります。
洗面脱衣室の間取図に書いた採寸メモ。画像の画質を落としています。
採寸データを基に、防水パンカバーの材料を考えていきます。
候補に挙がったのは、プラダン(プラスチックダンボール)と合板です。
プラダンは材料費も安く、カッターで簡単に切れたりと扱いやすいですが、今回は、上部に収納を置くため、強度的な観点とどうしてもチープに見える見た目のため却下しました。
合板は、強度があり、価格もお手頃で、ホームセンターで簡単に購入できますし、防水パンサイズであれば、車がなくても、手で持ち帰れるということで、合板に決定しました。
材質はシナとMDFで迷いましたが、ここは一番お安いMDFに決定(笑)。
3×6板の半分サイズも販売されていたので、ロスも最小限に、しかも、お安くゲットできました。
凡ミスを防ぎ、且つ、カット代を無駄にしないためにも、木取図というほどのものではないですが、簡単な図面も作成しました。
赤字は、実際の板厚への変更や採寸誤差やカット誤差などを見込んだ微調整の跡です。
実際に購入予定の板厚に変更したり、数ミリの採寸誤差やカット誤差なども見込んで、微調整しながら寸法を決定し、ホームセンターでカットして貰いました。
木取図を基にホームセンターでカットして貰った合板パーツです。
次に見た目の問題です。
全てMDFのままでは、洗面脱衣室の雰囲気に合わず、どうしても浮いてしまうので、ホームセンターで艶消し白のカッティングシートも合わせて購入しました。
白塗装も考えましたが、せっかく塗料を買っても大した量を使わないので、手間とロスと費用の観点から、今回は却下としました。
それに、カッティングシートは塩ビ素材なので、多少の水はね位であれば拭き取ればシミになることもありません。
洗面化粧台横という場所にはうってつけの素材です。
購入した白のカッティングシート。シール状になっているので貼り付けるだけです。
あとはパーツを組み立て、取り付けるだけなのですが、組み立てる前の下準備として、防水パンに擦り傷などが付くのを防止するため、マスキングテープで養生しておきます。
賃貸時には、万が一に備え、こういう一手間が大切になってきます。
黄色の部分がマスキングテープで養生した部分、四つ角の黒いものは家具用のすべり止めクッションです。
四つ角には、天板のズレ防止兼安定のために、余っていた家具用のすべり止めフェルトクッションを再利用しました。
四つ角に天板のズレ防止と安定のために取り付けた家具用のすべり止めフェルトクッションです。
あとは、仮置きしながら微調整したり、洗面脱衣室の雰囲気と合わせながら、カッティングシートを貼ったり、貼らなかったり、見た目を最終調整していきます。
仮置きの状態。天板の小口をMDFのままにするか、カッティングシートを貼って白くするかを検討。
当初は全面真っ白に仕上げるつもりでしたが、洗濯排水口のメンテナンス管理のため、天板をボンドで固定しないことや「天板の小口にカッティングシートを貼るのは面倒だな~」なんて考えて、見た目を調整していると、以下の組み合わせが一番しっくりきました。
側板もMDFのまま。天板の天面だけカッティングシートを貼ったパターンで最終決定。
すっきり、シャープに見えて、しかも、MDFの色が建具の色とマッチング。
側板の突付コーナー部分だけ木工用ボンドで固定、防水パンに沿わせて設置し、天板を上に乗せただけで完成です。
防水パンカバー完成。きちんと計算した寸法なので隙間なくピッタリ納まっています。
普段は開けることはありませんが、天板さえ外せば、洗濯排水口の様子を確認したり、お掃除などのメンテナンスも可能です。
これで、使わなくても埃やゴミがたまり、汚れ、掃除しにくい防水パンのお悩みが解消です。
サーっと掃除機をかけるだけで済みます。
また、防水パンの生活感も払拭でき、元々あるような?仕上がりになりました。
天板があるおかげで、収納も安定して置くことができます。
お悩みがまた一つ解決です。
あれ?
製作した防水パンカバーと洗面化粧台の間の微妙な隙間、気になりますか?
やっぱり気になりますよね?(笑)
「埃などがたまるし、どうせならカバーをもう少し大きくして塞げばよかったのに…。」と普通思いますよね?
私も思います(笑)。
普通ならそうします。
設計時、造作家具を作る場合は、大抵ぴったり納まるように設計します。
ただ、今回はなぜ、あえて、そんな微妙な隙間を残したのか…
それは…
防水パンカバーの側板を防水パンに沿わせて固定した方が安定し強度が増すから。
ぴったりにしようとすると誤差や歪みがあった際に、洗面化粧台の側面を傷つける可能性があるから。
などという理由ももちろんありますが、その他にも、上部に置く収納とのバランスを含め、別の理由があります。
これについては…次回のブログ、「手順③ 使わない洗濯機置き場を利用して収納を作る。」でご紹介します。
お楽しみに。
Minimal Officeは、家庭と仕事を両立しようと頑張る女性の味方です。
日常で少し気になること、困ることがあれば、是非、ご自分でもプチ改善にトライしてみてください。
今回の防水パンカバーのような簡単なモノなどであれば、材料を考えたり、ホームセンターなどのカットサービスなどを利用すれば、あなたご自身で、意外と簡単に楽しく作ることができますよ。
もちろん、ご自身での作図や製作が難しい方、「設計事務所や工務店には頼みにくいな~」とお悩みの方、Minimal Office はレイアウトなどの図面作成や設計のセカンドオピニオンとして、間取りの赤ペンチェックなども承っています。
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