帰省時がチャンス。
親が元気なうちになるべく早く片付けよう!
「親とモメない実家の片付け方」 No.2
整理収納アドバイザー、Minimal Office 専任アドバイザーの関口真衣です。
前回のブログより、「実家を片付けたいなー」と思う方のために、お盆直前、帰省時こそチャンス、ご実家を片付ける際の「親とモメない実家の片付け方」をテーマにブログを書いています。
前回は、前置きが長くなり、本題に突入できず、申し訳ございませんでした。
ということで、早速、本題へ。
【「親とモメない実家の片付け方」のポイント】
■ 実家の片付けに取り掛かる前に、これだけは意識しましょう!
まず、親世代は「片付ける=捨てられる」と思って拒否反応を示しがちです。
特に、60代以上などの親の場合は、貧しい、モノが少ない時代を経験してきた人やそんな貧しい経験をしてきた人を親に持ち、育ってきた方が多いので、モノのありがたみを感じ、「モノを捨てること=もったいない」と思い、モノを手放すことが苦手な方が比較的多い傾向にあります。
だから、我々世代とモノの価値観が違うことを意識し、できるだけ親と同じ目線で、モノの価値を考えるようにしましょう。
又、親たち自身は、モノが多くても、特に困っていることはないと思っていることが多いので、「片付け=余計なお世話」「文句を言われてまで、馬鹿にされてまで片付けたくない」と思いがちです。
特に、地方や田舎など、モノを置くスペースが十分にある場合は、モノが多いだとか、邪魔だと感じておらず、片付ける必要なんてないと思い、よりこう思う傾向にあります。
更に、年を取ればとるほど、物忘れが酷くなり、又、モノへの執着心が強くなり、使い慣れたモノやその置き方などに、拘りが強まり、自分の所有物に口出しされることを嫌がります。
又、60代以上であっても、まだお仕事をされていたり、元気な方も多いので、年寄扱いされたり、生活に過干渉されることを嫌がる方も多くいます。
その為、実家の片付けをする際は、親の気持ちに寄り添って、親の生活に合わせて、作業を進めていくようにしましょう。
そして、私たち子世帯が、早めの実家の片づけを提案しているのは、ただ単に、綺麗にしたい訳でも、見映えを良くしたい訳でも、親の生活に干渉したい訳でもないことをきちんと伝え、説明しましょう。
大切な親たちに、できるだけ、安全で、楽で、快適な生活を送って貰いたい、つまり、いつまでも、健康で、長生きして貰いたい、心配事を減らしたいと思っているから、モノを減らし、片付けることを勧めているんだということをきちんと理解してもらいましょう。
実家にモノが溢れていると、ケガ・病気・不仲などの原因にもなりかねません。
実家の片付けを放置していると、モノの量や加齢などが原因で、最終的には、親も子も体力的に限界になり、家族だけでは片付けられなくなるなど、家族全員が大変で、辛い思いをすることになります。
そういうことを心配して、片付けを提案しているんだということを、親たちにきちんと伝わるように説明してから、お片付けに取り掛かりましょう。
ちなみに、お片付けの基本中の基本ですが、いくら家族であっても、決して、本人の承諾なしに、人のモノを勝手に片付けたり、処分するのはご法度です。
必ず、本人に同意を得てから、手を着けましょう。
■ 親に絶対言ってはいけないNGワード
次に、お片付けを始める時、お片付け中に、親には絶対言ってはいけないNGワードです。
頭で解っていても、そんなつもりで言ってなくても、ついつい口から出てしまい、親の誤解を招いたり、せっかくのやる気を損ねたり、親子喧嘩に発展しかねない言葉です。
「汚っ」
「いい加減捨てようよ」
「本当にだらしないよね」
「それって必要?」
「一体いつ使うの?」
「動けなくなるうちに片付けてよね」
「なんでこんなゴミみたいなモノとってあるの」
「昔はもっとちゃんとしてたのにね」
「ここは一体いつ掃除したの。ちゃんと掃除してる?」
「こんな言葉さすがに言わないよ~」と言う人でも「片付けようよ」という言葉は言ってしまうかもしれませんよね。
「片付けようよ」という言葉自体も、意外と、親からの反感を食らう言葉になりかねません。
最初の第一声で、「片付けようよ」と言うと、「捨てられる」と警戒しそうなご両親に対しては、「手伝うから掃除しようよ」、「一緒にきれいにしようよ」と言い換えると良いかもしれません。
片付けるのは嫌でも、掃除をして貰えるのは嬉しく、喜ぶ親は多いですし、更に、自分一人でやれと言われているのではなく、一緒にやってくれるのなら「やってみようかな」と、きっと重い腰を上げてくれるでしょう。
あとは…
「一緒に整理しよう」
「これ不便じゃない?もっと使いやすく収納を考えよう」
「床にモノを置いていると転んで危ないよ」
「何がどこにあるかすぐにわかるように収納しよう」
「通行や動作の邪魔にならないような場所に移動しよう」
なんて言葉を上手く使うのも効果的だと思います。
親にとっては思い入れのあるモノかもしれないので、「これはどうする?」と確認しながら作業したり、時には、思い出話やモノのエピソードを聞きながら作業してあげるのも、お片付けを前向きにさせるやり方の一つかもしれません。
又、「本当に大事なモノは手元に置いていいんだよ」と声を掛けて、安心させてあげるのも大切です。
言葉はとても大切です。
言葉一つで、感じ方、受け取り方は、大きく変わります。
たった一つの言葉で、親のやる気スイッチをオンにもオフにもできてしまいます。
いくら家族、親であっても、言葉のチョイスには細心の注意を払いましょう。
特に、思うように片付け作業が進まなかったり、疲れてくると、ついつい、先に挙げたようなNGワードを口走ったりしそうになりますが、顔や口に出すのは絶対に控えましょう。
■ まずは、家の簡単なところ一ヶ所からお片付けをスタートしてみましょう。
一番、よく使い、散らかりやモノの多さが目立つリビングやダイニングからお片付けを始めたくなりますが、少々高度で挫折しかねません。
まずは、できるだけ小スペースで、気軽に取り組みやすい、作業時間がそれほど掛からない場所から、お片付けを始めましょう。
以前のブログでもお伝えした通り、引き出し1段、棚1段、ダイニングテーブルの上だけからで構いません。
アイテムも、洋服や雑貨などは思い入れが強い場合があり、捨てる捨てないでモメる可能性がありますが、賞味期限がある食材や洗剤や化粧品、アメニティーなどは、使う使わないや好みがはっきりしており、捨てる捨てないを判断しやすいので、最初のお片付けの取り掛かりの場所は、キッチンや洗面所、トイレの引き出しや棚から始めるとやりやすいと思います。
できるだけ、手軽で、モノが少なく、短時間で終わるところからお片付けを始め、成功体験を積み重ねていくことが大切です。
最初は抵抗を示しても、最後までやり遂げたという達成感を味わえば、きれいになったところを見たり、片付くことが楽しく、嬉しくなって、気持ちが変わり、モチベーションが上がり、継続してお片付けをすることができます。
お片付けのコツもどんどん解ってきて、楽しむ余裕も出てくるので、成功体験を積み重ねれば、自信は揺るぎないものにもなっていきます。
■ 実際に片付けてみましょう
以下の順序で、ポイントを押さえながら、実際に片付けてみましょう。
① モノを全て出してアイテムごとに分類する。
全てのモノを出し、アイテム毎に分類するのがポイントです。
親世帯は、何をしまっていたのか忘れているケースも多いです。
色んなところにしまってあるモノを一カ所に集めることで、モノの多さに気づき、手放すことを決断しやすくなります。
例えば、菜箸10セット。「そんなに要らないね、3セットあれば十分」
フェイスタオル30枚。「5カ所で使うけど、最低でも2日に1回は洗濯するから、予備も入れて15枚でいいよね」などという風に考えられ、モノを手放しやすくなります。
② モノがなくなった収納スペースをきれいに掃除する。
モノを全部出した収納スペースをとにかくピカピカに掃除するのがポイントです。
キレイになれば「汚したくない」、「汚いモノは置きたくない」という心理が働き、「汚したくない」「キレイをキープしたい」とお片付けに前向きになれます。
③ モノの要不要を確認しながら、モノを選別する。
どんなモノでも、勝手に要不要を判断せず、親の意思や気持ちを尊重しながら判断するのがポイントです。
「これ要らないよねー」と勝手に判断せず、「これどうする?」「これどうしたい?」「大事なモノはどれ?」と親の思いや意向を確認しながら、必要なモノと不必要なモノを判断していきます。
④ 使いやすさを考慮して収納する。
元の場所にしまう際も、取り出しやすさや使いやすさを考慮して収納するのがポイントです。
また「モノが少ない=わかりやすい、使い勝手が良い、楽」と思わせるように収納しましょう。
そうすることで、今後のモノの要不要の判断基準も変わってきます。
収納場所は、そのモノを使う場所や動線上にできるだけ収納しましょう。
躓きや転倒、落下などの危険を回避するためにも、できるだけ手の届かない所や床の上、通路近くにはモノを置かないことを心がけましょう。
引き出しやカゴなどに入れる場合も、できるだけ重くならないよう、引っ掛かりなどなくスムーズに開閉、出し入れができるように、モノの入れすぎに注意しましょう。
できるだけ単純動作で、ワンアクションなど、少ない動作で作業を完結できるようにしましょう。
■ 最後に
「親がモノを捨てられない」実家の片付けは、今や社会問題になりつつあります。
年齢を重ねるにつれて、判断力が衰えていき、身体の自由がきかなくなり、体力もなくなり、疲れも溜まりやすくなるため、片付けへの意欲や気力はどんどんなくなります。
そうこうしているうちに、子世帯の年齢もあがり、自分の家庭のことだけで既に手一杯。子世帯も体力的に限界になり、家族だけでは片付けられなくなるケースもあります。
親が遺したモノを後々、子供が処分しなければならないのも辛いことです。
ため込んだお片付けは正直大変な作業です。
片付けた後の快適で、楽で、安心のできる、楽しい生活をイメージしながら、親が元気なうちに、親子共に気持ちの余裕があるうちに、1日も早いお片付けに取り掛かりましょう。
何度も言いますが、スタートは、棚1段、引き出し1つからでいいんですよ。
帰省時がチャンスです。
我が家も頑張ります!
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Minimal Officeは、明日、8月9日(土)~8月18日(日)まで夏季休業とさせていただきます。
皆さん、充実したお盆休みをー。