【訪問診断(整理収納実作業)】
現在のライフスタイルに合わせた住まい方
~ 次のライフスタイルも見据えて ~
【整理収納実作業編≪収納 No.1≫】
整理収納アドバイザー、Minimal Office 専任アドバイザーの関口真衣です。
前4回に渡り、実際のお客様宅でのお片付けの実例をご紹介すると共に、Minimal Officeの整理収納コンサルティングの「訪問診断(整理収納実作業)」というお仕事について、ブログでご紹介しています。
ブログは、以下のMinimal Office の「訪問診断(整理収納実作業)」当日の大まかな作業の順でご紹介しています。
~ 訪問診断当日 ~
④ 事前ヒアリング
⑤ 目標設定
⑥ 整理収納実作業
⑦ 次の目標への計画と課題
前回までのブログは下記をクリックしてください↓↓↓
ブログ1【訪問診断(整理収納実作業)~お客様とご依頼内容について~】
ブログ2【訪問診断(整理収納実作業)~④事前ヒアリング編~】
ブログ3【訪問診断(整理収納実作業)~⑤目標設定編~】
ブログ4【訪問診断(整理収納実作業)~⑥整理収納実作業編~《整理》】
今回のブログでは、⑥「整理収納実作業」《収納》についてお話していきます。
前回のブログは、「整理収納実作業の《整理》」というタイトルで、お片付けは「整理」と「収納」で成り立っており、「収納」の前には、必ず、不要なモノがない状態にし、分類する「整理」という作業が必要である旨をお伝えしました。
今回のブログでは、「整理」作業を終えたお客様宅をどのように収納計画し、「収納」していったかを、収納計画のステップやポイントを交えお伝えしていきます。
■ ⑥「整理収納実作業《収納 No.1》」
「整理」が終われば、お客様の理想の暮らし、目標の実現に向けて、収納を計画し、実際に収納していきます。
【収納】
お客様のヒアリング、お客様の必要なモノの量、収納スペース、動線や動作に合わせて、収納を計画していきます。
今回のお客様のお片付けのご依頼箇所は、和室の押入れだったのですが、ヒアリングの際に、奥様の寝室のクローゼットにも、奥様の洋服や和室で使う趣味の書道道具などがしまわれていて、狭い部屋にモノが溢れ、ほぼ開かずのクローゼットになっているということをお伺いしました。
和室一室で、奥様のお着替えが完結できるようにしたいというご要望もあったので、今回、和室の押入れと合わせて、寝室のクローゼットもお片付けすることになりました。
以下、押入れと天袋の現状Before写真です。
洋服も布団も分類されずしまわれている状態です。
家族の思い出の品や季節家電も、使うモノ、使わないモノ、壊れたモノまで混在している状態でしまわれています。
特に、天袋や押入れの奥は、数十年入れっぱなしの状態で、何をしまっているかすら思い出せず、把握できていないモノもある状態でした。
収納ケースなども種類や寸法がバラバラでした。
以下、寝室のクローゼットの現状Before写真です。
季節外の奥様とご主人の洋服が入っていたり、和室で使う書道道具が入っていたり、様々なモノが混在してしまわれている状態です。
又、それらのモノは、引っ越し当初クローゼットの奥行に合わせて購入した引き出し型の収納ケースに入れられ、特に、中段の引き出しは、設置高さの関係で、引き出しの中が見えずらく、取り出しにくく、中身を把握できていない状態でした。
しかも、寝室に設置しているハンガーラックが、更に、動作スペースを狭め、クローゼットの「扉を開ける⇒引き出しを引き出す⇒取り出す」などの一連の使う時の動作を妨げ、 億劫にして、開かずのクローゼット状態になっていました。
これらをどのように進め、収納計画していったかです。
◆ STEP①: 空間を測定する
まずは、収納を計画する上で、最も重要になってくる空間の寸法測定を行います。
以前のブログでもお伝えした通り、収納計画には、寸法把握がものすごく大切で、計画の善し悪しをも左右するキーとなってきますので、今回のブログでは、採寸の細かなご説明などは割愛させていただきますが、収納スペースはもちろん、収納グッズなど、まずは必要な各寸法の測定を行います。
寸法測定について詳しくを知りたい方は、以前のブログ下記をご参照ください。
今回、測定した押入れの主な形状と寸法です。
同じく、クローゼットの主な形状と寸法です。
今回のお片付けでは、奥様たってのご希望で、新たに収納グッズなどを購入することなく、今あるもので片付けたいとのご希望がありました。
ですので、お家にある収納ケースやカゴ、紙袋などを利用して収納することにしました。
一言で、収納ケースといっても、様々なところに、様々な種類とサイズの収納ケースがありましたので、作業や収納をより効率よく行えるよう、できるだけ同じ収納ケースをまとめて収納できるよう、収納ケースを入れ替えるなどの作業も行いました。
今回のお片付けで使う、主な収納ツール寸法です。
◆ STEP②: 「整理」したモノを目的に合わせ、ゾーニングしていく
ヒアリング、採寸、目標を基に、使用頻度や動線、ご年齢やお客様の身長などの身体的特徴などを考慮し、「使う時に使いやすく」を常に考え、「整理」したモノをゾーニングしていきます。
今回のお客様の場合、
和室は…
奥様の着替え部屋、奥様の趣味部屋、洗濯物を畳む部屋、ご主人の部屋兼寝室、客間として使用します。
単身赴任中のご主人のご帰宅は、月に1回程度、今後もしばらくは単身赴任生活が続きそうとのことなので、奥様の方が圧倒的に和室と押入れの使用頻度が高いと言えます。
つまり、今回のお客様の和室の押入れの使用頻度を人別に順番に並べると、「奥様>ご主人>お客様」となります。
但し、使用頻度は低いとはいえ、一家の主であるご主人の唯一の部屋兼寝室なので、無下に扱うことはできません。
ご帰宅時のご主人にも今まで以上に、ストレスなく、快適に、和室を使っていただきたいので、そこのところは配慮して収納計画を立てていきました。
以下、実際に、今回のお客様ご提案したゾーニング計画です。
まず、押入れの正面図です。
ピンクは奥様、緑はご主人、黄色はご家族共有のモノをしまうゾーンを表しています。
人の使いやすい高さ位置は、「中⇒下⇒上」の順です。
押入れでいえば、使いやすさは、「上段⇒下段⇒天袋」の順になります。
又、重いモノは持ち上げ、取り出すのが大変、且つ、もし、重いモノを上部に収納すると、落下の危険性があるので、重いモノほど下段に収納するのがベストです。
これらを考慮して、使用頻度が高いモノから順に、使いやすい場所に収納していけば、当たり前ですが、使いやすくなります。
又、お子様のいるお宅やご年配の方のお宅の収納を考える場合もそうですが、体型やご年齢、体の不具合の有無、利き手など身体的な特徴も考慮して計画します。
ヒアリングの際に身長などを伺ったのはそのためです。
今回のご夫婦も、奥様の身長が156cm。
それに対して、ご主人の身長は、183cmと、身長差が27cmもあります。
よって、お二人の使いやすい位置も異なってきます。
故に、リビング側(和室の手前側)、つまり、押入れの左半分の上段、下段を、一番使用頻度が高い奥様の着替えに関するモノの収納に、右半分の上段を、ご主人の洋服と布団に関するモノの収納とすることにしました。
そうすることで、押入れの左隣に、現在、奥様が使用されているクローゼットがあるので、それと共に、ほぼ動くことなく、一ヶ所で着替えを完結することができるようになります。
又、現在、家のあちこちにある、奥様の洋服など着替えに関するモノは、押入れ左半分の上段、下段と隣のクローゼットに集め、全てを収納することとします。
そうすることで、バルコニーに干した洗濯物を和室に取り込み、畳み、すぐにしまうことができます。
衣替えの際も、部屋を行ったり来たりすることなく、一部屋で完結、簡単に済ませられます。
更には、どうしても増えがちな奥様の衣類は、これらの収納に入る分だけを適正量に設定し、減らすことは多いに結構、収納量以上は持たない、増やさないするというルールを設けました。
又、収納の形状や動作からもゾーニングは考えていきます。
押入れの襖は引き違いなので、引き違いの襖を両方開けることなく、片方を開けるだけで、奥様、ご主人共に、その時、ご自分が行う一連の動作のモノが一度に取り出せるように計画しました。
ご主人は、襖の右半分を開ければ、高身長のご主人が屈むことなく、着替えを取り出し、ご自分の布団一式を、楽に、簡単に取り出すことができるようにしています。
同じく、時々使う奥様の趣味である裁縫道具や書道道具は、右半分を開ければ、作業しながら、座ったままでも、取り出しやすい下段にまとめて収納するようにしています。
引き違いの襖ならではの、召し合わせになる中央の使いにくい部分は、普段使うことはないが、保管の必要がある仕事の書類や今は使わないが、今後、必要になるかもしれないモノなどの「仮保管場所」として有効活用しています。
以下、押入れの平面図です。
ピンクは奥様、緑はご主人、黄色はご家族共有のモノをしまうゾーンを表しています。
押入れならではの深い奥行を有効活用して、手前は使用頻度の高いモノを、奥のデッドスペースには、使用頻度の低い思い出の品や保管書類を収納することにしました。
今回のお客様の場合、ご自宅で、フリーランスとしてお仕事されているので、保管資料なども多く、収納物にラベリングしておくことはもちろんですが、たとえ、見えづらい押入れのデッドスペースであっても、何を収納しているのか、押入れの中の収納物が把握できるように、別途、保管期限などを書いた「保管書類リスト」や「思い出の品リスト」などのリストを作成しておくことをご提案しました。
そうすれば、押入れを開けることなく、押入れのどこに何を収納しているか、又、保管期限がいつか判ります。
リストがあることで、保管書類などは定期的に見直し、期限が過ぎれば入れ替えるなど処分することもでき、常に一定量を保つことができます。
又、いざ、書類が必要になった時などに、あたふたして探し回る必要もなくなるなどのメリットもあります。
次にクローゼットのゾーニングです。
ピンクは奥様、緑はご主人、黄色はご家族共有のモノをしまうゾーンを表しています。
現在、奥様の寝室として使われているの3.75帖の小さなお部屋のクローゼットは、部屋はベッドでほぼ一杯、寝るとき以外は使わないお部屋ということなので、使用頻度の低い、年に数回入れ替える程度の季節外の布団と来客用の布団を収納することにしました。
奥行の浅いクローゼットですが、使いづらかった引き出し型の収納ケースを取っ払い、布団は、圧縮袋に入れ、クローゼットの奥行に合わせて立てて収納し、更にラベリングしておくことにしました。
今までは、来客用の布団や季節外の布団なども、ご主人の布団と共にに積まれて収納されていて、出し入れが面倒だったり、取り出す時に崩れてしまったりすることがありましたが、それも回避できます。
クローゼットの扉を開けて、ラベルを確認して、必要な布団を取り出せば完了です。
又、シーツやカバー、タオルケットなどは、固定棚を利用して畳んで収納することにしました。
余った最上段の棚には、部屋に溢れていた仕事であまり使うことのないモノをとりあえず、しまっておく仮保管場所としました。
以上で、ゾーニングまでが終了です。
ゾーニングが終わり、収納計画が出来上がれば、あとは、収納計画に基づいて、実際に「整理」したモノをその通りに「収納」していくだけです。
今回もブログが長くなってしまったので、この続き、「STEP③: ゾーニングし、計画した通りにモノを「収納」していく」は次回に持ち越しです。
次回もお楽しみに!!
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